【ウィーンで感じた】英語で世界が広がる瞬間と、日々のトレーニングの大切さ

先週、オーストリアの首都・ウィーンで開催されたBio-Europe 2025に参加してきました。Bio-Europe 2025とは、欧州最大級のライフサイエンス分野のビジネスマッチングイベントで、欧州だけでなく世界各国から3,000以上もの企業・団体が参加しています。

私の目的は、日本のアカデミアの技術を海外に売り込むことで、1回30分間の商談を重ね、3日間で数多くのミーティングをこなしました。そこで改めて、「英語を通して世界が広がっていく感覚」を強く覚えました。

英語の上達には実践が必須

ここ最近の私は、英語の論文を読んだり、ニュースを視聴する機会はあったのですが、英語でこみいった話しをする機会は、ほとんどありませんでした。そのため、出張が決まってからは、英語で会話をするイメージトレーニングを意識的にしていました。

でもやはり、練習と生身の人間を相手にした本番では、大きく勝手が違いました。

英語脳は鍛えないと衰えるが、鍛えておけば復活も早い

最初の商談は、イタリアのベンチャー企業でした。
相手のイタリア訛りが強く、さらに話題が細胞治療と、私の専門から少し離れた分野。正直、かなり苦戦し、「ああ、もっとこの領域の英語を抑えておくべきだったな」と痛感させられました。

でも、そこからが面白いところで、2日目、3日目と面談を重ねるうちに、どんどん調子が出てきたんです。実際に英語でやり取りを繰り返すことで、言葉が自然とスムーズに出てくるように!まさに、実戦の中で“英語脳”が復活していく感覚でした。

英語が話せれば世界は広がる

今回の商談で、最も印象的だったのは、オランダの企業に勤めるインド人の方です。

私も以前オランダに留学していたので、”オランダあるある”で盛り上がりました。そして、異なるバックグラウンドを持つ人と笑いながら話せた瞬間、英語が単なるツールではなく「国境を越え、世界をつなぐ架け橋」になることを実感しました。

医師におすすめの英語トレーニング3選

こうした経験を通して改めて思うのは、「適切な英語コミュニケーションをするためには、日々のトレーニングが欠かせない」ということです。そして、日々のトレーニングの質を上げるためには、“実戦をリアルに意識すること”が何より大切です。

つまり、自分がどんな場面で英語を使うのか、その目的やゴールを明確にして、それに直結する形で練習する。これがモチベーションの維持にもつながります。

では、日々どんなトレーニングをすればいいのか。私が医師の方々におすすめしている3つのメニューを紹介します。

1. シャドーイング

これは、リスニングとスピーキングを同時に鍛える最強の方法です。

学習に使う教材はPodcastやYouTubeなど、特に、ご専門の医療英語を扱うチャンネルがおすすめです。とにかく、まずは仕事に直結するテーマを選びましょう。すらすらとついていけるまで、同じものを何度も繰り返すのがおすすめです。

2. 独り言トレーニング

場面を想定して、とにかく英語を口にする。頭の中で英文を組み立てるだけでは、本番で舌が回りません。

実際、日本語と英語では使う筋肉が違うので、「声に出すこと」がとても大事です。小さな声でブツブツ言うだけでもいいので、声に出してくださいね。

3. AIとの英会話レッスン

私のおすすめはChat GPTの音声モードを利用してAIと会話する方法です。

医師をはじめとする専門性の高い職業は、一般的な英会話サービスでは突っ込んだ議論ができず、すぐに物足りなくなります。その点、AIを利用する方法は前提を共有することで、専門的な内容についても、かなり実践的な会話で練習ができます。

1つの同じチャットで続けていけば、AIはもの凄いスピードで知識を習得するので、いつでも、どんなリクエストにも応えてくれる、自分だけの英会話パートナーになってもらえますよ。

まとめ

英語は筋トレと同じで、「毎日」「時間を決めて」「継続する」ことが成果につながります。

もし、「国際学会で発表したい」「海外の研究者と対等に話したい」と考えているなら、5分でも10分でもいいので、今日からでも始めてみてください。

毎日は小さな一歩ですが、明確な意識をもって努力を積み重ねていけば、必ず英語を使えるようになります。そして、常にチャンスを掴める状態にしておくことが、医師としてのキャリアを飛躍させるためには必須ですし、国際舞台でも堂々と話せる自信を作ってくれます。

 

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2024年8月14日