前回、英語の速読を習得するには、通訳の感覚が必要というお話をしました。
今日は、その具体的な練習方法として、スラッシュリーディングの解説をしましょう。
繰り返しになりますが、英語を速く読めるようになると、英語論文を英語のまま理解できるようになります。医師にとって、英語論文を読む作業は一生続くので、読解スピードを少しでも上げられれば、業務効率が大幅に向上します。
業務で論文を読むときに、ぜひ、取り組んでみてください。
スラッシュリーディングとは?
スラッシュリーディングとは、英語を単語1つ1つで理解せず、下記のように意味の塊ごとに「スラッシュ(/)」で区切って読むことです。
Cirrhosis,/ also known as liver cirrhosis or hepatic cirrhosis,/ and end-stage liver disease,/ is the impaired liver function/ caused by the formation of scar tissue/ known as fibrosis/ due to damage caused by liver disease.
(引用元:Wikipedia)
この方法を習得できると、戻り読み*をせずに読めるようになり、英語を読むスピードが向上します。
*戻り読みとは、英文を右→左へと後戻りしながら、意味をとっていく方法です。受験では日本語訳が問われる事も多いので、この読み方が癖になっている方が多いかもしれません。「返り読み」ともいいます。
スラッシュを入れる位置にルールは無い
実は、スラッシュを入れる位置に厳密なルールはありません。下記を参考にして、まずはやってみましょう。
【スラッシュを入れる目安】
- 主語や動詞
- 接続詞や前置詞
- コロンやカンマ
- 関係代名詞(that,whatなど)
- 準動詞
スラッシュの多い、少ないは気にせず、英語を塊で理解しながら、どんどん読み進めることを優先してください。
スラッシュリーディングをするときのポイント
事前に、速読の基礎固めとして下記の2点は押さえてください。詳しくは前回のコラムをご覧ください。
- 中学レベルの文法を復習
- 必要な単語の習得
わからない単語や表現があっても読み進める
まずは最初から最後まで、通して読んでみましょう。
わからない単語を調べたくなっても、ガマンしてください。いちいち調べている時間はもったいないので、下線を引いて、無視したり、「こんな感じかな」と推測するだけにします。
大まかにでも意味がわかって、伝わればOKという「通訳」の感覚ですね。
医学文献の文法はシンプルですが、専門用語もでてくるので、わからないことがあって当然です。焦らず、どんどん読み進めましょう。
どうしても気になる単語や表現は、1つのレポートを読み終えて、きりのいいところで、下線を頼りに振り返ります。最後まで読んでしまえば、気になるものはそう多くはないはずです。
この推測して読み進める力は、対面での英会話でも役に立ちますよ。
英文速読におすすめの書籍
『毎日の英速読 頭の中に「英文読解の回路」をつくる』
中級以上の方におすすめ。
20の文章に実際に取り組みながら、スラッシュリーディングの手法をマスターできます。
1つの文章に対して、①速読用のページ、②スラッシュ訳のページ、③和訳、④文章の内容理解の問題で構成されているので、スラッシュの位置を感覚的に掴むことができます。
また、音声もダウンロード可能で、リスニングの土台作りにも役立ちます。
初級〜中級の方におすすめ。
速読の土台となる基礎文法や、スラッシュリーディングの知識や技術が、わかりやすく解説されています。
例文も短めで、全体のページ数もわずか125ページなので、一気に読み進めることができます。
まとめ
スラッシュリーディングを身に付け、英語を意味の塊で理解できるようになるためには、毎日10分でもいいので続けてください。音読ができる環境であれば、音読も取り入れて、総合的な力を向上させましょう。
速読の場合は、コツコツと自主学習することで習得できますが、英語でのコミュニケーションやプレゼンテーションに課題があれば、ぜひ、ご相談ください。
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