英語を速く読めるようになると、英語論文を英語のまま理解できるようになります。医師にとって、英語論文を読む作業は一生続くので、読解スピードを少しでも上げられれば、業務効率が大幅に向上します。
私のところにも、「論文を早く読めるようになりたい」という相談が多く寄せられるので、今回は、英語の速読を習得する方法を解説します。
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英語の速読には「翻訳」よりも「通訳」の感覚が求められる
日本人は学校の英語教育で、単語1つ1つを英語にしたり、日本語にしたりしてきました。だから、わからない単語が出てくると、ついつい立ち止まってしまい、英文を読むのは難しいなと感じてしまうんです。
この、できるだけ原文に忠実に訳す、というのは「翻訳」に求められるスキルです。
でも、わからない単語が1つや2つあっても、全文を読んでみたら、なんとなく意味がわかることってありますよね。
大まかにでも意味がわかって、伝わればOKというのが「通訳」です。
首脳会談や海外企業との契約など、シビアな局面での通訳となると、高い精度が求められますが、実はそういった場面でも、「通訳」は、単語を逐一「英語→日本語」に訳しているわけではありません。
だから、英語の速読をするときには、大まかに意味を把握しながら、どんどん先に進んでいける「通訳」の感覚が必要なんです。
速読のための基礎固め
とはいえ、「いきなり通訳って言われても、無理だ」と感じる気持ちもわかります。学校で習ってきたクセで、ついつい単語の意味を日本語で理解したくなりますよね。
ここからは速読に必要な基礎固め2つをお伝えします。
中学レベルの文法を復習
医学論文などで使われている文法はシンプルなものばかり。まずは、中学校で習った文法を一通り復習しましょう。
おすすめは『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』。Kindle版でよいので、1週間でささっと一周してみてください。
必要な単語の習得
必要な単語には、基本単語と専門単語があります。
まず基本単語は『英単語ターゲット1900』など、受験でお世話になった単語本をフル活用しましょう。単語を見たら、0.5秒でその単語のイメージが頭に浮かぶようになればOKです。
一方、専門用語は、単語本で学習するには適しません。必要とする専門単語は、医師によって大きく異なるからです。そのため、専門用語の場合は論文を読みながら、未知の単語をピックアップし、自分専用の単語帳を作る方法がおすすめです。
速読の練習方法
基礎固めと並行して、速読の練習も始めましょう。
最初は疲れると思いますが、だんだんと慣れてくるので、短い時間でも集中できる環境で取り組むのがおすすめです。
毎日少しずつでも読む練習をする
読む速度を向上させるには、継続的な練習が不可欠です。まずは毎日10分程度でよいので、英文を読む時間を確保しましょう。
毎日継続さえすれば、徐々に読むスピードは必ず速くなります。
戻り読みをせずに読めるように
戻り読みとは、英文を右→左へと後戻りしながら、意味をとっていく方法です。受験では日本語訳が問われる事も多いので、この読み方が癖になっている方が多いかもしれません。ただし、この読み方では、絶対にスピードは上がりませんし、リスニングにも対応出来ません。
理想は、英文を一筆書きのように、最後まで後戻りせずに読み、理解できること。そのためには、意味の塊ごとにスラッシュ(/)を入れて、前から順番に意味を取る練習をしていきましょう。
スラッシュリーディングの方法は、こちらを参考にしてください。
時間を測る
スピードを上げたいなら、英文を読む際は必ず時間を計測します。最初は、1分間に150語を目標にスタート。これは、国際学会などでの英語プレゼンテーションの速さです。
簡単な内容であれば、1分間に180語や200語と、目標を上げてネイティブのスピード(1分間に300語)に近づけていきましょう。
字幕のあるものを教材として活用する
映画、テレビ番組、You Tubeなど、字幕のある動画は、ネイティブの話す速度を意識しながら読む練習が出来ます。
字幕付き動画には、次のようなメリットもあり、おすすめです。
- 話すのと同じスピードで、強制的に読む練習ができる
- 単語と単語が繋がったときの独特の発音もわかり、ヒアリング力も向上する
- 映像もあるので、大まかに意味を把握する練習になる
まとめ
どの言語でも、読解速度を向上させるには時間と継続的な努力が必要であることを忘れないでください。これらの戦略を実行し、毎日10分でもいいので、英語の学習を続けることで、徐々に読解力が向上し、英語を速く読めるようになります。
速読の場合は、コツコツと自主学習することで習得できますが、英語でのコミュニケーションやプレゼンテーションに課題があれば、ぜひ、ご相談ください。
弊社では、1日30分の学習からスタートし、6ヶ月で必要とする英語でのコミュニケーションを実現するプログラムを提供しています。
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