無生物主語とは?英語らしい表現をマスターする3つのポイント

無生物主語とは

「無生物主語」という言葉、聞いたことはありますか? 

無生物主語とは、その言葉の通り、生き物じゃないものが主語になることで、英語では頻繁に使われる表現です。そして、英語をマスターする上でも、とても重要な概念といえます。

例えば、医師の皆さんが読まれている論文でも、下記のような表現をご覧になったことがありませんか。

It is widely accepted that…

The data indicate…

A 30% reduction in mortality was…

どれも主語は生き物ではありませんので、無生物主語を使った表現です。

日本語の場合、「私は」とか「〇〇さんが」というように、人間が主語になりがちなので、そのまま英語にしたくなりますよね。

でも、無生物主語を使うことで、あなたの英語はより英語らしくなるのです。

今回は、論文を読んだり、書いたりする機会の多い医師の皆さんが、無生物主語をマスターするメリットもご紹介します。

無生物主語をマスターする2つのメリット

英語の文法において、無生物主語はとても重要な要素で、次のメリットがあります。

  • 文章が簡潔になり、伝わりやすくなる
  • 客観性を持たせたり、客観性を強調する効果がある

無生物主語を使うことで、文章がより簡潔になり、その上客観性を持たせられるのですから、マスターしないという選択肢はあり得ませんね。

詳しくみていきましょう。

文章が簡潔になり、伝わりやすくなる

無生物主語を使うと、文章が簡潔になるので、伝わりやすくなります。

こちらの例文をご覧ください。

  • It is important to study English grammar.
  • There are many benefits to learning a new language.

主語として「it」や「there」の無生物を使っています。中学の教科書でも見たことがある表現です。

これを「I」や「We」など生物を主語にして文章にすると、ちょっと回りくどくなりそうだと想像できますよね。

無生物主語は、文脈に合わせて正しい形を選ぶことが重要なので、まずは簡単で、既に使ったことのある「it」や「there」から使ってみるのがおすすめです。

意識してみれば、英語は無生物主語だらけです。学習をしていく過程で、多くの英文に触れていけば、あっという間にバリエーションは増えますよ。

客観性を持たせたり、客観性を強調する効果がある

無生物主語には、客観性を持たせたり、客観性を強調する効果があります。

だから、学術論文や報告書など、客観的な視点を重視する場合には、無生物主語を使うことが一般的です。

このメリットは、論文を書く場合だけでなく、学会でのプレゼンテーションでも、大きな効果を発揮するでしょう。

例えば、「It is believed that…」や「There is evidence to suggest that…」などは、客観的な情報を示す際によく使われる表現です。

無生物主語をマスターするときのポイント3つ

最後に、無生物主語をマスターするときのポイントを3つお伝えします。ポイントさえわかれば、難しいことはありませんので、ぜひ実践してみてください。

  • 日本語と英語の「視点」の違いを意識する
  • 状況に合った表現を選ぶ
  • 実践を重ねる

日本語と英語の「視点」の違いを意識する

 日本語では「私は」や「私たちは」というように、人の視点から表現することが一般的ですが、英語の場合は無生物も視点になりえます。

たとえば、「毎日薬を服用してもらうために、患者指導を強化しました。」を英語にしてみましょう。

主語を人にするか、無生物にするかで、下記のように表現が変わってきます。

【人視点の英語】

We‘ve been giving out clear instructions to make sure everyone takes their pills every day.

私たちは、全員が毎日薬を服用するように明確な指示を出してきました。)

【無生物視点の英語】

Clearer instructions now ensure that everyone takes their pills every day.

より明確な指示によって、誰もが毎日薬を服用できるようになりました。)

無生物主語を使えるようになると、表現の幅が格段に大きくなります。

状況に合った表現を選ぶ

無生物主語を使うときは、状況に応じて適切な表現を選ぶことが重要です。

テキストやオンラインの学習資料などを使って、無生物主語を使った例文を読み、その構造や使い方を理解する練習をしましょう。

下記は論文でもよく使われる表現です。ニュアンスの違いなどをマスターしていきましょう。

  • It is widely accepted that…(広く受け入れられているのは…)
  • There is a growing body of evidence to suggest that…(示唆するための証拠が増えてきているのは…)
  • This treatment method reduces…(この治療法は~を減少させる)
  • Diabetes affects…(糖尿病は~に影響を与えている)

実践を重ねる

日常生活や英語のコミュニケーションで、無生物主語を使った表現を意識して使うことで、自然とマスターできるようになります。

論文ばかりではなく、日常的な会話や英語日記でも使ってみて、より身近に使いこなしていきましょう。

【例文】

  • It looks like it’s going to rain.
    (雨が降りそうだ。)
  • This song always cheers me up after a long day.
    (長い一日の後で、この曲を聴くといつも元気が出るんだ。)
  • Night shifts make it so hard to get good sleep.
    (夜勤だといい睡眠が取れなくてしんどいなぁ。)
  • This app helps you keep track of patient updates.
    (このアプリで患者さんの情報を追跡できるよ。)
  • Our new diet plan really works for managing diabetes.
    (新しい食事プラン、糖尿病の管理に本当に効果があるんだ。)
  • The latest policy has cut down our paperwork.
    (最新の方針で書類作業が減ったよ)
  • It’s been quiet in the ER tonight.
    (今夜はERが静かだね。)
  • The conference attracts hundreds of specialists each year.
    (その学会は毎年何百人もの専門家が集まるんだ。)

まとめ

「無生物主語」というと聞き慣れないかもしれませんが、中学英語でもおなじみの表現でもあります。

少し意識するだけで、すぐにマスターすることができるので、ぜひ取り組んでみてください。

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